西安大唐西市博物館(その63:3階シルクロード硬貨展示ホール_シルクロード東方 長安の貨幣_4. 臨安府行用銅牌・至正之宝他)
2019年3月29日(金曜日)、曇り後晴れ。(*^_^*)
西安、今、春真っ盛りです!
☝は、西北工業大学構内の八重桜です。
数日前に撮影したので、今は満開!(*^_^*)
日差しがキラキラ、新緑も春の花もキラキラ!
毎日少しずつ変わっていく景色。
目が離せません~~~!!!
さて、唐突ではございますが、2017年9月からご紹介を始めた「西安大唐西市博物館」。
ついに、1階から3階までの紹介を完了する日がやって来ました!!!\(^o^)/
この☟3階レイアウトの登場も、今回がラストです。
これで最後なので、直接④の展示室に入るのではなく、かつての写真に再登場してもらい、3階フロアを眺めながら④へ移動したいと思います。(*^-^*)
☟は、階段を上って3階に入った場所にある、シルクロード硬貨展示ホールの入り口。
ここから②の展示室へ。(^^)/
②の展示室。☟
ギリシャ・ローマの硬貨を展示。
写真接合部分に、③の展示室へ続く短い通路があります。
③の展示室。☟
右の写真、人が写っている場所が②から続く通路です。
あの場所には、タッチパネル式硬貨の神経衰弱ゲームが設置されていますが、稼働している日は多くありません。(笑)
③の展示室には、西アジア古代国家の硬貨が展示されています。
そして、④の展示室へ!(*^-^*)
☝右に見えている通路を通って、④の展示室へ移動。
この通路には、硬貨に関するクイズに挑戦できるタッチパネルがあります。
時間制限もあるので、結構難しいんですよ。(^^;
でも、これも稼働してないことが多いのです。(笑)
右壁に「古銭五十名珍」表を見ながら、④の展示室に入ります。(*^-^*)
④の展示室には、インド亜大陸、アラブ帝国・イスラム諸王朝、モンゴル帝国とその末裔、そして、中国の古銭が展示されています。☟
ここまでの道のり、長かった~。
でも、万里の道も一歩から。
ここで、今回も最初にまとめてお断りを!
素人なので、業界専門用語を正しく扱う自信がありません。
そのため、回りくどい表現になっている部分が多々あります。
さらに、日本語訳については、分からないところを博物館の解説員さんや学校の先生に尋ねて作成していますが、あくまで参考としてご覧ください。<(_ _)>
では、最後のご紹介です。\(^o^)/
ラストは、☝ガラスケース右側の硬貨!
硬貨の拡大写真を貼る前に、前回、前々回にも登場した、通路にあった「古銭五十名珍」表を貼っておきます。☟
最初の部分、以前参考として訳していますが、わざわざ見返していただくのはお手数なので、再掲しておきます。☟(*^-^*)
「古銭五十名珍」 とは、貨幣コレクターの間での、中国古代に歴史上発行され、かつ現存量が非常に少ない50種類の貴重な金属貨幣に対する総称である。それらは一貫して古銭界コレクターから高い評価を受けており、その収集価値・観賞価値及び研究価値は計り知れない。
☝の表の中で、数字の左横に「★」マークが打ってある26枚は、大唐西市博物館が所蔵しているものを示しています。
その中で、今回のガラスケース右側に収められているものについては、☟の参考日本語訳表3枚に黄色でマスキングしています。(*^-^*)
今回はこれら8種類(12枚)をご紹介します。(*^▽^*)
こちら☟が、ガラスケース右側のアップです。
全体的に、説明プレートの字が読み難いですよね。(^^;
並んでいる貨幣の名称は 以下の通りです。(*^-^*)
上段左から:
大宋通宝/貞祐通宝/臨安府発行使用の銅牌/至正之宝(裏:吉・権鈔・壹銭)/至正之宝(裏:吉・権鈔・伍銭)/天啓通宝
下段左から:
建炎元宝/貞観宝銭(西夏文)/大元国宝(裏:龍紋銭)/至正之宝(裏:吉・権鈔・伍銭)/天啓通宝/天啓通宝
それでは、個別のご紹介に移ります!(*^_^*)
西夏崇宗李(李乾順)の貞観年間(紀元1101年~紀元1113年)に鋳造された。西夏文字のみ、形式は小平銭。現在、現存しているものは一枚のみであり、非常に貴重である。
※Wikipediaは「1101~1114年」
☟は、大唐西市博物館で購入した書籍に掲載されている写真(上)と、展示品です。
☝これは・・・・・・、非常に見辛いです。<(_ _)>
【大宋通宝(裏面「当拾」)銭】(表:㉝)
南宋理宗の宝慶年間(紀元1225年~紀元1227年)に鋳造された。≪宋史・理宗本紀≫には、「宝慶元年7月乙酉、大宋元宝は皇帝の聖旨を受け発行された」と記されている。また、≪食貨誌下二≫には、「宝慶元年の新銭は、「大宋元宝」を銘文とする」と記載されている。貨幣の素材には銅と鉄の二種類がある。大宋通宝の銅銭は「当拾」の大銭しか現存していない。表面の文字は上下右左に読み、楷書。裏面の文字は「当拾」(1枚は小平銭10枚に相当する)。現存するものは非常に少ない。
☟は、大唐西市博物館で購入した書籍に掲載されている写真(上)と、展示品です。
【建炎元宝】(表:㉜)
南宋高宗の建炎年間(紀元1127年~紀元1130年)に鋳造された。「建炎元宝」は鋳造量が非常に少なく、銅銭しか現存していない。表面の文字は時計回りに読み、篆書と隷書が対になった小平銭である。同時期、高宗は更に「建炎通宝」・「建炎重宝」を鋳造しているが、共にレアであり、古銭の中でも特に貴重である。
☟は、大唐西市博物館で購入した書籍に掲載されている写真(上)と、展示品です。
【貞祐通宝】(表:㊸)
金の宣宗(完顔珣)の貞祐年間(紀元1213~紀元1217年)に鋳造された。≪金史≫に記載はない。小平銭、表面の文字は真書体で、上下右左に読む。非常に珍しい。
☟は、大唐西市博物館で購入した書籍に掲載されている写真(上)と、展示品です。
【臨安府行用銅牌】(表:㉞)
臨安府行用銅牌(俗称は「銙牌」・「大牌」、大銭)は、一種独特な種類であり、南宋末期、理宗の淳祐年間(紀元1241年~紀元1252年)に鋳造された。その表面の文字は「臨安府行用」、裏面の文字は「準貮伯文省」・「準叁伯文省」・「準伍伯文省」の3種類に分けられる。「伯」とは「佰」のことであり、百に通じる。「準」とは「平」の意味である。「省」は「省佰」を指し、即ち百に満たない七十七文を百文の銅銭として使用することを示す。この銅製の銭牌は細長い長方形をしており、上端には丸い穴があり、四辺と丸穴の周囲には縁取りがある。長さと幅は、額面の大小により異なる。表面・裏面の文字はどちらも楷書で、作りが精巧である。
☟は、大唐西市博物館で購入した書籍に掲載されている写真(左)と、展示品です。
【大元国宝(裏面に龍紋)銭】(表:㊼)
元朝の武宗(海山)の至大年間(紀元1308年~紀元1311年。)に鋳造された。文字の形状は非常に美しい。裏面に龍の図案を持つ唯一無二の硬貨が特に素晴らしいが、おそらく炉火入れ時の試鋳サンプル銭と思われる。この他に独特な鉛銭、手彫りにより製作された彫母銭がある。
☟は、大唐西市博物館で購入した書籍に掲載されている写真(上)と、展示品です。
残念ながら、展示品は表面が上になっていて、裏面の龍紋は拝めません。(T_T)
【至正之宝(裏面「吉・権鈔・壹銭」・「吉・権鈔・伍銭」】(表:㊽)
元朝恵宗(トゴン・テムル。廟号は恵宗であるが、明朝による追諡である順帝の名称が使用されることが多い)の至正(紀元1341年~紀元1368年)末期に鋳造された。全て大銭であり、紙幣と貨幣が併存していたことを象徴している。※(用以代表交钞与纸币并行)。この貨幣は重厚で、作りが精巧である。折十・二十・三十・五十等の種類がある。表面の文字「至正之宝」は端麗な楷書体で、上から下へ、右から左へと真っ直ぐ読む。裏面の上部にある「吉」は江西吉安道により監製されていたことを示している。また、裏面右の「権鈔」の二文字は、銀鈔と見なすことができることを意味している。左側は貨幣値の銀貨の重さで、「伍分」・「壹銭」・「壹銭伍分」・「貳銭伍分」及び「伍銭」の5種類がある。銅銭を権鈔として行使したため、「至正権鈔」とも呼ばれる。銭文の書体は特に美しく流れるようであり、「至正通宝」等の書法と同じである。この種の銅銭はみなあまり多くなく、価格が非常に高い。
※赤字部分
最初に「古銭五十名珍」を日本語に訳した時、大唐西市博物館で購入した書籍に掲載されている英語訳をGoogleで翻訳しても、それが正しいのか判断できませんでした。
私、「用以代表交钞」がまったく理解できなかったんです。(T_T)
でも、ここまで調べながら訳してきて、なんとな~く分かってきたところで、Wikipediaの「交鈔」の項目に「第15代皇帝トゴン・テムルは1350年(至正10年)に至正交鈔を発行して至元鈔と1対5の比率を定めたが、紙幣にかわって銅銭の流通が増えるようになる。」と言う記載を発見。\(^o^)/
Googleの翻訳結果は正しかったんだと理解できました。
Google、Wikipediaに大感謝です!!!(*^_^*)
☟3枚は、大唐西市博物館で購入した書籍に掲載されている写真(上)と、展示品です。
3枚とも表向きで、裏の様子は見えません。残念。
☟は、敦煌の路面に嵌め込まれている古銭の石板です。(*^-^*)
いいいよ、3階シルクロード硬貨展示ホール 最後の硬貨のご紹介です!!!(*^-^*)
【天啓通宝】(表:㊾)
元末、南方の武装蜂起軍紅巾の乱の指導者である徐寿輝が、紀元1358年8月に天啓と改元後、「天啓通宝」銭を鋳造した。表面の文字には楷書と篆書の二種類があり、上から下へ、右から左へと真っ直ぐ読み、裏面には何もない。材質は紫銅、様式には小平銭・折二銭・折三銭の三種類がある。翌年には天定と改元し、別途「天定通宝」を鋳造したため、この貨幣は発行から鋳造停止まで僅か8~9ヵ月しかなく、しかも発行地域が徐寿輝が活動した現在の江西・湖北等に限定されていたため、元末の「天啓通宝」は比較的稀有なものである。特に、篆書体折三の天啓銭は一級品であり、運がなければ手に入れることのできない一品である。
☟は、大唐西市博物館で購入した書籍に掲載されている写真(上)と、展示品です。
☟2枚も、大唐西市博物館で購入した書籍に掲載されている「天啓通宝」の写真(上)と展示品です。
以上、長い間お付き合いいただきありがとうございました。\(^o^)/
これで、「3階シルクロード硬貨展示ホール」のご紹介は終了です。<(_ _)>
3階のご紹介は、2018年3月半ばにスタートしたので、足掛けまる1年間かかりました。
本来、2018年夏には終わる予定だったんです。
それが今は・・・・・・、2019年の春。(^^;
この3階部分にかかる時間の見込みは、1・2階の面積と3階の面積を比較して、適当に計算したもので、超アバウト。(笑)
その上、3階の紹介パネルには日本語訳がなかったため、自力で訳すのにも時間を費やしたり。
更に、夏休み初めに出かけた甘粛・新疆旅行の内容に4か月くらい時間をとられ、終了にこぎつけるのが、ここまで遅くなってしまいました。
帰国までに、当初の目標「大唐西市博物館1階~3階を紹介する!」を達成できて、本当に良かった~~~!!!
なんていうと、今後「大唐西市博物館」は登場しないように感じられるかもしれません。
でも、帰国までに何かイベントがあれば絶対に顔を出すので、またご紹介できると思います。(*^-^*)
これからは、時間が許す限り、西安市内の他の博物館に足を運んでみるつもりです。
もうしばらく、「せいあん!」をよろしくお願いいたします。\(^o^)/
ラストに、西北工業大学の春景色を貼らせてください!
毎日撮っているのに、出番がないのです。(笑)
冬の間続いたスモッグから解放され、今はこんなに青空!☟
桜、校内のいたる所で咲いています。☟
チューリップって、花が咲き出してから、かなり長期間持ちますネ。☟
夜になると花びらを閉じて、眠っています。
印象派の絵画のよう?☟
これ☟は最新の写真です。
牡丹も咲きました!!!\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/
綺麗~~~!!!
我が家の庭の牡丹は、通常なら4月下旬から、種類ごとに咲き始めます。
夕日を浴びるプラタナスの新緑と桜🌸。
この日差しの透明感が好きです。
と・・・・・・、気落ちのイイ春なのですが、一つだけ要注意。☟
新緑がきれいなプラタナスですが、新芽が出る時に薄黄緑色の粉を振りまきます。
風がない日はマシなのですが、ちょっとでも風が吹くと、肉眼で見えるほどこの粉が大量に飛ぶと言うか、落ちて来ます。
日傘を差していると、落ちてきて日傘に当たるかすかな音が聞こえます。
この時期に中国旅行される場合は、どこでプラタナスに出くわすか分からないので、マスクをお忘れなく!
終わり。(*^-^*)